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知られざる新型うつ病の正体

新型うつ病の正体 最近ちょくちょく聞く言葉に「新型うつ」「新型うつ病」というものがあります。新型インフルエンザというのなら意味のわかりやすい言葉でよく知られていますが、新型うつとはなんなのでしょうか。どの辺が新しいのか、それともまったく異なるうつ病なのか。じっくり調べてみましょう。

新型うつ病という病名はない

結論を先にいいますと、新型うつ病という病名はありません。病名がないだけではなく、新型うつ病と呼ぶべき病気は存在していないのです。

では、なにゆえに「新型うつ病」という単語が広まっているのでしょうか。それはマスコミにより盛んにその言葉が用いられたからです。

病気も時代とともに変化する

ただ、新型うつ病という名の病気が存在しているわけではないものの、うつ病自体の中身が時代とともに多少なりとも変化していることは事実でしょう。

俗に新型うつ病の代表的な症例として語られているものに、仕事だけは「うつ状態になって」できないが、趣味や遊びは問題なくできるというものがあります。ひと昔前であれば、それこそ完全な怠けであり詐病であるといわれるところです。

うつ病自体が怠け病との心ない扱いを受けていた時代から脱却して長くないですが、いくらなんでもできないのが仕事だけというのはおかしいだろうと思われるわけです。

しかし、時代は移り変わっており、このようなうつ病の形態が生まれたとしても不思議ではありません。

内向きから外向きへ

古い人間の感覚では、うつ病に罹患した患者さんは自己否定が強いものだとの先入観があるでしょう。なにか良くないことが起きれば自分のせいだと思い詰めるとか、いつも謝っているとかです。

ところが、新型うつ病は違うようです。悪いことは他人のせいであり、自分の生活はエンジョイするというタイプが新型の特徴として見られます。確かに、これはうつ病とは思えないところですが、専門医が診察するとうつ病の特徴を内包しているケースが多いそうです。

新型うつ病はこうして生まれる

従来のうつ病の概念と新型うつ病の代表例を比較すると気付くことがあります。それは、現代っ子感覚です。つまり、時代が昭和から平成に変わり、自由がより強調されるようになった社会情勢が深くかかわっていると考えられます。

かつては何事も自分で抱えるのが当然だった背景の中で従来型のうつ病の症状がありました。しかし、自分の意思を表に出しやすい社会となった今日、「なんでも自分のせいにするんじゃねぇ」とばかりに新型うつ病が生まれたのではないでしょうか。

加えて、うつ病の症状が自己申告主体であることも少なからず影響していると考えられます。つまり、うつ病のすそ野が広がっているということです。